デザイン③「家は3回建直す①」
理想の家を建てるためには3回建てなければならない、といった話を聞きます。
これは正しいようで、的確でないとも思います。
何故なら「時間」という要素があるからです。
住んでいればもちろん経年劣化があります。
維持のしやすさ、ということは有っても、メンテナンスフリーは絶対ないです。
そうなると、ある時期に大幅な手を加える必要が出てきます。
後は、家族構成、生活の形態、年齢が変わっていきます。
子供が生まれる、子供が巣立つ、ペットを迎える、
高齢になる、体調が変わる、病気や怪我をする、体が不自由になる、
仕事が変わる、収入が変わる、家具や物の増減変化、
文明、文化の変化、考え方の変化
とにかく時間と共にいろんな事情が変わるのだから
生活スタイルも変わり、家がそのままの状態では現状と合わなくなってくる。
当然のことだと思います。
大きく分けると
結婚出産育児の時期、子供の成長、巣立ちの時期、高齢期
少なくとも3回は大きな転機があるのではないでしょうか。
そして、それぞれに合わせると、家の形態は大きく変えざるを得ないですね。
とはいえ、一般的に3回も家を建て直すことは難しいと思いますので
なるべくフレキシブルな形が良いと考えています。
私は脱3LDK思想で、子供部屋必須というスタイルから離れた家づくりを提案したいと常に思っています。
また、こうしておけばよかったと思うこともあるでしょう。
それこそ、時を変えず3回建て替えれば理想の家ができるかもしれませんが、
時間に伴う建て替え(改修)の必要性は必ず出てくる問題だと思います。
また予算も大きくかかわることです。
暮らしやすさはそこで生活する人そしてその時によってそれぞれ異なります。
メンテナンスのしやすさ、間取りの自由さや性能を満足させる家づくりは、
工夫次第でもっと良くできると思っています。
3回建てなきゃ満足いくものはできないと思って後悔や妥協をするのではなく
変化を受け入れながら、サステナブルな将来の楽しみとしてほしいです。
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